Act4 モンテクリスト・オープン

2009年、キューバにて本家モンテクリストの名を冠した「第一回 モンテクリスト・カップ ゴルフトーナメント」が大々的に開催された。
(米国発売の非キューバ産モンテクリストを冠した「モンテクリスト・カップ」の方は、既に10年以上前から米国主導で開催されている。)

これに時期を合わせて新発売されたのが「モンテクリスト・オープン」シリーズであり、夏期の戸外レジャーで気軽に愉しめる様、比較的吸い易く軽いのがコンセプトである。
個別の名称もそれぞれ、アウトドア・スポーツに関連する名称が付けられている。
従来のハバナ葉巻ファンからすると物足りなく感じると思われたが、予想どおり、戸外で葉巻を楽しむ習慣に乏しい日本での評判は余り良くない様だ。


<モンテクリスト・オープン レガッタ>

\1,900→\2,000
フォルン
(1.83×13.5 cm)

46リングゲージ・長さ135ミリのフィグラドという、ハバノスでは珍しいミニ・トルペド。
やや薄め〜通常色のラッパーで、モンテクリストNo.2の小型版というコンセプトだ。
因みに、レガッタとは手漕ぎボートやヨットでの競技を指す名称。

MontecristoOpenRegataBand

55-65分。キャラクターは中強〜強。吸込みは良好で、点火後芳香は強めで良い。
立上がりは、やや甘味のあるヘーゼルナッツ風の強い旨味である。

序盤から意外とやや強めのキャラクター。甘味は弱まり、ナッツ系から旨塩系木質の強い味わいへと変化。白煙豊かで急速にスパイシーさが加わり、始めからパンチの効いたコク がある。
前半は、一旦弱まった甘味が次第に盛り返して甘味を秘めた艶のあるコクの木質 となり、いわゆる「モンテクリストらしさ」が感じられる 様になる。しかし、甘味が弱いままの場合は強さも乗ってこない様だ。
中盤は弱い甘味とスパイシーさとアーシーさがある、荒々しいが艶のあるコクの木質系。物によって甘味やアーシーさが強まったりするが、甘味が強まる場合はモンテクリストらしい滑らかさと荒々しさ が堪能できる。
後半は甘味を秘めた強いアーシーさでかなり荒々しく、艶有る滑らかで強烈なコクとスパイシーさ。ややマッタリ感有るコクを伴う、強めの甘味が加わる場合も。

全体として、個体差はあるが甘味強めの場合はかなりモンテクリストらしい良さが味わえ、オープンの中では良さが目立つ 葉巻である。


<モンテクリスト・オープン マスター>

\2,200→\2,300
ロブスト
(1.98×12.4 cm)

真正ロブスト規格のモンテクリスト・オープン。
やや淡色の綺麗なラッパーで、かなり物議を醸した「モンテクリストのロブスト」
テニスから取られた名称らしいが、マスターズというとゴルフの印象も強い。

MontecristoOpenMasterBand

70-80分。キャラクターは中〜やや強で、点火後の芳香はまあまあである。
立上がり、塩味目立つ木質〜ナッツの旨味。始めから甘味は少ない。

序盤では甘味が更に目立たなくなり、スパイシーで甘味の無い革様木質のニュアンス 。
前半も同様の味わいが続き、時々アーシーさが強くなる。稀に上質な艶ある旨味が出る場合も。
中盤のキャラクターは中強。スパイシーな革様木質 だが、滑らかさ・コクが加わる。
後半は強さを増し、スパイシーで滑らかな強いコク の、塩味強い木質。甘味は無くアーシーさが強いばかりで、余り旨くない。
終盤は強いスパイシーとマッタリ感有る強いコクが現れる。

全体として、滑らかさ等のモンテクリストの片鱗が 見て取れる点もあるが、非常に甘みに乏しく、旨味にも欠ける 場合が多い様だ。
「モンテクリストのロブスト」だと期待していると、とんでもなく裏切られる 事になるだろう。
ブランドの顔でもあるロブストがこれでは、「モンテクリスト・オープン」はモンテクリストとは全くの別物だ 、と言われても仕方有るまい。


<モンテクリスト・オープン イーグル>

\2,600→\2,700
ヘニャレス
(2.14×15.0 cm)

54リングゲージ・長さ150ミリの堂々とした巨大サイズ
やや薄め〜通常色ラッパーの美しい外見で、オープンでは最も見栄えが良い。
名称はもちろん、ゴルフから取られている。

MontecristoOpenEagleBand

80分。キャラクターは中強〜強。吸込みはもちろん良好で、点火直後は甘い芳香がある。
立上がりは、生々しく甘くやや酸味もある、木質系〜ナッツの旨味が目立ち、煙量豊か。

序盤は甘味が弱まってくる 場合が多く、代りに塩味が目立つ木質 の味わいと強いスパイシーさが。酸味やコクやアーシーさがでてくる場合も。
前半は甘味は弱く、ややあっさりした塩味木質で、総じて強いスパイシーさが支配 する。
中盤はやや強。アーシーさが出てきて、スパイシーな旨塩木質の味わいも強くなっていく。ややあっさり感のあるコク
後半はスパイシーな木質。コクが強まるが何処かあっさりしていてマッタリ感や深みには欠け 、いわば透明感有る強さ。
終盤は木質の旨味が強まり、やっと甘味秘めた強くやや深いコクが出てくる。

全体として、大口径ハバナらしくない迫力不足 で、モンテクリストらしさにも欠ける
しかし、コンセプトに則った吸い易いハバナ と考えれば、それほど酷い出来では無いとも言えそうである。


<モンテクリスト・オープン ジュニア>

\1,200→\1,300
トラブコス
(1.51×11.0 cm)

38リングゲージ・長さ110ミリのスモールサイズ と標準色のラッパーで如何にも夏向き。
ポロをイメージしているらしいが、日本では殆ど馴染みがないスポーツでよく解らない。

MontecristoOpenJuniorBand

50分前後。キャラクターは中前後で、スモールゲージとしては吸込みは良好。点火後の芳香は甘く芳ばしく素晴しい。
立上がり、甘くコク有る木質の旨さ が素晴しい。

序盤はややマイルド。スパイシーで甘くアーシーな深み有るコクの木質の旨さで、時々塩味も目立つ。
前半はスパイシーさが強まる。塩味に甘味が混じり、木質〜カツオブシ様の強い旨味 が有る。
中盤のキャラクターは中〜中強。スパイシーさとコクが強まり、甘い木質カツオブシに酸味が加わる。強くはっきりした旨味
後半は中強以上。強いスパイシー。深いコクと甘味。荒々しくアーシーさと艶やかさがある旨味 が急速に強まり、モンテクリストらしさが現れてなかなか良い。
以上が「当たり」の場合のレビューである。しかし、甘味が弱くアーシーで渋み強く、前半は酸味が、後半はアクっぽさが目立って、艶やかさのかけらも無い「外れ」ロットも 有る様だ。

全体として外れさえ掴まなければ、小振りで旨さが凝縮していて、特に後半はモンテクリストらしさを愉しめる だろう。



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