フィリピン製　タバカレラ

古くから、ハバナに次ぐ葉巻産地として有名なフィリピンのマニラ。その葉巻は、本場ハバナを中心とした中南米産とはかなり違いがあり、マイルドで乾いたほのかな甘さを特徴とする。日本から地理的にとても近い為、19世紀の昔から入手し易い葉巻として、葉巻好きの間では知られていた。

タバカレラは、フィリピンのラ・フロール・デ・ラ・イサベラ社により作られる歴史あるマニラ産ブランドであり、チャーチルやマッカーサー等、歴史上数々の有名人が常喫していた銘柄としても名高い。
詳細にみると、フィラーとバインダーにフィリピン産を用い、ラッパーにはジャワ・インドネシア産を用いている。コロナスマトラは名前の通り、多少ブレンドが異なる様だ。

残念ながら、中南米各国の葉巻産業の伸長著しい昨今では、相対的にその存在が忘れられがちであり、葉巻産地としてのマニラの名声は過去の物となりつつある。このラ・フロール・デ・ラ・イサベラ社も、近年はマニラを始めとした東南アジア産にこだわらず、中南米産を主体とした新ブランド等を登場させている。

	＜タバカレラ　ピラミッド＞
\650→(同) フィリピン／ピラミデ (2.0×16.0 cm)	ローコストプレミアムの雄・タバカレラ。歴史上有名人の常喫銘柄としても名高い。薄い色のラッパー。ふくらみのある甘さを含んだおだやかな喫味。
	80-90分。キャラクターは中弱～中。点火直後の芳香は普通で、タバカレラ特有の癖のある匂いはしない。立ち上がりは、穏やかで膨らみのあるクリーミーさと、ほのかな甘みで丸みある乾いた感じ。序盤から前半は旨塩系の味わいで、甘みと膨らみがある。穏やかながらハッキリした味わいがある。中盤になるとややコクが出てきて、多少強めの旨塩系の味わいとなる。時々、特有の癖のある匂いが漂い始める。後半以降になると、やや強さも感じられる中程度のキャラクターとなる。コクが強まり、旨塩系からやや木質系の味わいとなる。ほのかな甘みがあり、特徴的な癖のある香りが目立つ様になる。全体として、その太さの為かタバカレラとしてはやや強さとコクも目立つ様だが、穏やかな特徴が良く出ている。ハバナを始めとした中南米産の様な旨味は無く、一日の主役を張れる葉巻ではないかもしれないが、昼下がりのコーヒータイムにのんびり楽しむには良いかも。

＜タバカレラ　ピラミッド＞

\650→(同)
フィリピン／ピラミデ
(2.0×16.0 cm)

ローコストプレミアムの雄 ・タバカレラ。歴史上有名人の常喫銘柄 としても名高い。
薄い色のラッパー。ふくらみのある甘さを含んだおだやかな喫味。

80-90分。キャラクターは中弱～中。
点火直後の芳香は普通で、タバカレラ特有の癖のある匂いはしない。立ち上がりは、穏やかで膨らみのあるクリーミーさと、ほのかな甘みで丸みある乾いた 感じ。

序盤から前半は旨塩系の味わいで、甘みと膨らみがある。穏やかながらハッキリした味わいがある。
中盤になるとややコクが出てきて、多少強めの旨塩系の味わいとなる。時々、特有の癖のある匂いが漂い始める。
後半以降になると、やや強さも感じられる中程度のキャラクターとなる。コクが強まり、旨塩系からやや木質系の味わいとなる。ほのかな甘みがあり、特徴的な癖のある香りが目立つ様になる。

全体として、その太さの為かタバカレラとしてはやや強さとコクも目立つ様だが、穏やかな特徴が良く出ている。
ハバナを始めとした中南米産の様な旨味は無く 、一日の主役を張れる葉巻ではないかもしれないが、昼下がりのコーヒータイムにのんびり楽しむ には良いかも。

	＜タバカレラ　コロナ＞
\350→(同) フィリピン／コロナ (1.65×14.0 cm)	ローコストプレミアムの雄・タバカレラ。歴史上有名人の常喫銘柄としても名高い。
	55-65分。キャラクター弱。煙量なかなか有り。前半はただただマイルド。半分程からマイルドながらコクと味と香りが楽しめる様になる。終盤になると、いわゆる「独特の乾いた甘さ」が感じられるようになり、木質系の香りと相まってなかなか良い感じ。コロナスマトラで感じられた様な「異臭」分が時々微かに漂う事も有る。しかし保管がまともなら非常に微かなレベルに留まり、「異臭」というより「独特の香り」といった感じで、むしろ好ましいアクセントとなる。ローコストながらプレミアムの中でも管理に気を使う葉巻。普通のプレミアムより「やや乾燥気味」に保存するのが、タバカレラを旨くするポイントの様だ。

＜タバカレラ　コロナ＞

\350→(同)
フィリピン／コロナ
(1.65×14.0 cm)

ローコストプレミアムの雄 ・タバカレラ。
歴史上有名人の常喫銘柄 としても名高い。

55-65分。キャラクター弱。煙量なかなか有り。前半はただただマイルド。半分程からマイルドながらコクと味と香りが楽しめる様になる。
終盤になると、いわゆる「独特の乾いた甘さ」が感じられるようになり、木質系の香りと相まってなかなか良い感じ。

コロナスマトラで感じられた様な「異臭」分が時々微かに漂う事も有る。しかし保管がまともなら非常に微かなレベルに留まり、「異臭」というより「独特の香り」といった感じで、むしろ好ましいアクセントとなる。

ローコストながらプレミアムの中でも管理に気を使う葉巻。普通のプレミアムより「やや乾燥気味」に保存するのが、タバカレラを旨くするポイントの様だ。

	＜タバカレラ　コロナスマトラ＞
\300→(同) フィリピン／コロナ (1.65×14.0 cm)	ふくらみのある甘さを含んだおだやかな喫味。
	60-70分。キャラクターは弱。大きさの割には煙量少なめ。始めはオランダ系らしさが有ったが、中程から独特の喫味へ変化。次第にコクも増してくるのだが、それと共に独特の「異臭？」が増して来て、ちょっと鼻につく。後味も「異臭」分が混じった様な独特のもの。後味が余り良くないが、もしかすると販売店の管理が悪かったのかもしれない。

＜タバカレラ　コロナスマトラ＞

\300→(同)
フィリピン／コロナ
(1.65×14.0 cm)

ふくらみのある甘さを含んだおだやかな喫味。

60-70分。キャラクターは弱。大きさの割には煙量少なめ。

始めはオランダ系らしさが有ったが、中程から独特の喫味へ変化。次第にコクも増してくるのだが、それと共に独特の「異臭？」が増して来て、ちょっと鼻につく。後味も「異臭」分が混じった様な独特のもの。

後味が余り良くないが、もしかすると販売店の管理が悪かったのかもしれない。

	＜タバカレラ　エルコンデ＞
\460→(同) フィリピン (1.7×17.4 cm)	細めで長さのある変形ダブルフィグラド。通常色のラッパー。ターバンの様に縛り上げた特異なヘッドで、カットしなくとも縛り上げ部分を外せば吸える。しかし、吸込みがやや固めなので、カットした方がよいかもしれない。
	65-75分。キャラクターは中～やや強。点火後の芳香は良い。立上がりは塩っぽい木質で、コクと弱い甘味がある。序盤から中程度のキャラクター。ややスパイシーで辛味有る、乾いた塩っぽい木質。タバカレラらしくない強めのニュアンス。前半はスパイシーな辛味と、穏やかな乾いた弱い甘味。塩っぽさ目立つ旨塩系だが、ややエグ味を感じる場合も。中盤は強さを増し、スパイシーで強い辛味。強い塩味と膨らみのあるコク。後半はやや強程度。甘味が多少出てくる場合もあるが、強いコクとタバコ感のみが目立つ場合が多い。終盤は強いコクとタバコ感にのみ支配される。細長さの為か、強さが目立つタバカレラの変わり種。しかし、強さとは逆に旨味の方は目立たなくなってしまった様だ。全体的に変化にも乏しく、次第にうんざりしてくる場合が多い、残念な葉巻だ。

＜タバカレラ　エルコンデ＞

\460→(同)
フィリピン
(1.7×17.4 cm)

細めで長さのある変形ダブルフィグラド。通常色のラッパー。
ターバンの様に縛り上げた特異なヘッド で、カットしなくとも縛り上げ部分を外せば吸える。
しかし、吸込みがやや固め なので、カットした方がよい かもしれない。

65-75分。キャラクターは中～やや強。点火後の芳香は良い。
立上がりは塩っぽい木質 で、コクと弱い甘味がある。

序盤から中程度のキャラクター。ややスパイシーで辛味有る、乾いた塩っぽい木質。タバカレラらしくない強めのニュアンス。
前半はスパイシーな辛味と、穏やかな乾いた弱い甘味。塩っぽさ目立つ旨塩系 だが、ややエグ味を感じる場合も。
中盤は強さを増し、スパイシーで強い辛味。強い塩味と膨らみのあるコク。
後半はやや強程度。甘味が多少出てくる場合もあるが、強いコクとタバコ感のみが目立つ場合が多い。
終盤は強いコクとタバコ感にのみ支配 される。

細長さの為か、強さが目立つタバカレラの変わり種。しかし、強さとは逆に旨味の方は目立たなくなってしまった 様だ。
全体的に変化にも乏しく、次第にうんざりしてくる場合が多い、残念な葉巻だ。

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	＜ドンファン　コロナ＞
\700→(同) フィリピン (1.75×14.0 cm)	同社の上級シガーブランド。44リングゲージ。ラッパーはフィリピン産。フィラーはブラジル・ドミニカ・マニラのブレンドである。
	60分。キャラクターは中前後。黄土色にくすんだ灰色が混じった様な、典型的なサンドラッパーを想わせる。吸込みは良好で、点火後の芳香は上品な木質である。立上がりは、乾いた上品な甘味で、スモーキーさも有るカツブシ様の旨味。序盤は甘味弱まり、スモーキーでアクっぽい旨塩の混じった革様木質。前半は穏やかで、ややスパイシーなカツブシ様の乾いた弱い甘味。中盤は前半と同様だが、やや喫感が強まってアクっぽさや旨塩が混じる乾いたカツブシ。後半はキャラクター中～中強。スパイシーなアーシー旨塩。乾いた甘味で喫感強く、アクっぽいコクが出てくる。終盤は次第にアクと苦みが強まり、不味い喫感が強くなる。タバカレラと比べればコクも強さもあるのだが、並み居る中南米産のシガーの中では埋没してしまうだけの存在だろう。筆者としては、マイルドさを追求した方がマニラ産らしい個性が強調されて良いと思うのだが。

＜ドンファン　コロナ＞

\700→(同)
フィリピン
(1.75×14.0 cm)

同社の上級シガーブランド。44リングゲージ。ラッパーはフィリピン産。
フィラーはブラジル・ドミニカ・マニラのブレンドである。

60分。キャラクターは中前後。黄土色にくすんだ灰色が混じった様な、典型的なサンドラッパーを想わせる。吸込みは良好で、点火後の芳香は上品な木質である。

立上がりは、乾いた上品な甘味で、スモーキーさも有るカツブシ様の旨味。
序盤は甘味弱まり、スモーキーでアクっぽい旨塩の混じった革様木質。
前半は穏やかで、ややスパイシーなカツブシ様の乾いた弱い甘味。
中盤は前半と同様だが、やや喫感が強まってアクっぽさや旨塩が混じる乾いたカツブシ。
後半はキャラクター中～中強。スパイシーなアーシー旨塩。乾いた甘味で喫感強く、アクっぽいコクが出てくる。
終盤は次第にアクと苦みが強まり、不味い喫感が強くなる。

タバカレラと比べればコクも強さもある のだが、並み居る中南米産のシガーの中では埋没してしまう だけの存在だろう。
筆者としては、マイルドさを追求した方がマニラ産らしい個性が強調されて良いと思うのだが。

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フィリピン製 タバカレラ

フィリピン製　タバカレラ