サンチョパンサ 本格クラス

70-80分。キャラクターは中〜強。吸口の形状から吸込みを心配する向きも有るが、このクラスでは殆どの物がロブスト以上に吸いこみ良好で白煙豊かである。

序盤はまずまずの芳香とかつお節系の旨みが感じられる中程度の強さ。そこを過ぎると急激に大口径ハバナらしい強烈さ が押し寄せて来る。
中盤を過ぎると、強烈さの中にマッタリとした旨みを強く感じる。甘さの有る木質系で、ひなびたカラメル系とも云える様な、やや後を引くようなマッタリ系 。モンテクリストから滑らかさを取り去ったような感じ 、という表現が当てはまるかもしれない。辛味やスパイシーさは余り感じられない。
しかし、他のベリコソやピラミデに慣れていると、思ったより温和しめに感じるだろう。

トルペドでは最もマイルド という事だが、初心者にとっては予想外に強烈 で、旨みに富んだ一本。

120分前後。キャラクターは中前後。十年以上経たヴィンテージだが、濃いめの艶のある美しい外観で、 かつてのチャーチルサイズスタイルのお手本の様に吸込みが固い物が多い。

点火後の芳香は甘く蕩ける様であり、立上がりはとても甘味の強いナッツと木質系の味わいである。
序盤は次第に甘味が収まり、ナッツに革様ニュアンスが加わり、艶やかでコク有る木質系の味わい。
前半は甘味が目立たなくなるが、穏やかでスパイシーでややアーシーな木質。時折喫感が強まり、固い吸込みが目立つ。
中盤はキャラクター中強程度。スパイシーさとコクが急に強まり、甘味も出てきて艶やかな旨味 が目立つ、強い揮発系の木質。かなり喫感は強いのだが、固い吸込みの為か概して心地良い強さ に感じられる。
後半はスパイシーで強いコクと、艶やかながら揮発系の木質感。甘味と強い喫感 で荒々しさが目立つ場合もあるが、総じて固い吸込みの為に強くなり過ぎず、心地良い範囲の強さと旨味 が最後まで続く。

全体として、固く巻かれた古いスタイルのチャーチル ではあるが、それが荒々しい強さを和らげて調和をもたらしていると言う好ましい一例 を見る事が出来た。

しかし近年製造のロットでは 大分様子が変わっていて、かつてのスタイルに反して吸込みが非常に良く なっている場合が多く、喫煙時間も80分程度だ。
喫味は未だ若い為かもしれないが、フローラルな甘さと穏やかな植物系のニュアンス が主体の、よりマイルドな物である。
時代の要請に合わせて、チャーチルもそのスタイルを変化させている のかもしれない。