Act4 H.アップマン 本格クラス

歴史の古いブランドであり、豊富なラインアップを誇る。全体的により熟成されたラッパーを持ち、風味に優れた物が多い様だ。
このブランドで有名なのは、なんといってもこのシガーをこよなく愛したJ.F.ケネディの逸話 だろう。
(街中のペティアップマンを買い占めてから、対キューバ禁輸の法律に署名したという伝説。)


<H.アップマン コネスールNo.1>

\1,700→\1,800
エルモソ4
(1.91×12.7 cm)

写真の様にキャビネット入り。ロブスト入門用 とも云われる。
スムースな吸込みと、ロブストクラスとしては比較的穏やかな優しい風味。

HUpmanConnesCabinet

70分。製造コードより出来立て新品を入手したが、未だ若すぎるせいか上記一般的見解とは違って、キャラクターはかなり強。

点火直後から強いスパイシーさがあり、最後まで強烈なスパイシーさに痺れる。後半になると、ほのかな甘味とカラメルのようなマッタリと濃厚な旨みとコクが現れる。
全体的に刺激が強く、それに比べて味わいの強さが負けている感じで、熟成不足の典型 を感じさせる。

<3年ほど熟成後>
上記新品の葉巻も、3年近く熟成させるとスパイシーさは強めながらあくまでアクセントのレベルまで落ち着き、代わりに甘味と、特に木質系の旨味がかなり濃厚になった。
キャラクターはロブストクラスとしては大人しい「やや強」程度であるが、後味もかなり良くて旨味に溢れた葉巻である。


<H.アップマン マグナム46>

\2,400→(同)
コロナゴルダ
(1.83×14.3 cm)

充実した味と香りと強烈さ で豊潤な風味のフルボディ。海外では名作として高い人気が有る。
熟成に向かず製造後1年で吸い頃と聞いたが、10年程度の長期熟成向きという者も居る。(*_*)?
なお、2008年のマグナム50発売を契機に、このマグナム46も同様にバンドが2枚付く様になった。

HUpmanBOX

70分。キャラクターは強。吸込み良好で白煙非常に豊か。

点火直後から豊かな芳香とかなりの強さと味わいが有り、序盤からかなり強いスパイシーさが目立つ。
中盤以降は強力な強さとスパイシーさの中に、強い旨みが滑らかな甘味を伴って現れ、豊かな木質系芳香と共にウットリさせられる。

まさに正統派ハバナ とも云える、強いスパイシーさと、チョコレートを想わせる口当たりの良いコクの有る旨みが、実に素晴らしい。


<H.アップマン サー・ウィンストン>

\3,200→\3,300
フリエタ2
(1.87×17.8 cm)

その名からも判るとおり、チャーチルサイズ代名詞的存在 。様々で豊かな旨みと香り。
コイーバ・エスプレンディードスが出てくるまでは、ハバノでもトップを争う名声を誇っていた。

HUpmanSirWinstonRING

110-120分。キャラクターは中強〜やや強。やや濃い目の美しいラッパー。
点火後芳香は良好。立ち上がりはやや甘く旨みの強い木質系 で、コーヒー・カカオのニュアンス も有る。

序盤は甘さが少々有り、旨塩のニュアンスもある木質系の強い旨み が目立つ。強めの木質系芳香が有り、後味にややスパイシーさが目立つ。
少し吸い進むと、コク深さが出てくる。時折、甘さやマッタリ感が目立つナッツ系の旨みや、強く甘い後味が現れたりするが、基本的には木質的な旨みが強く目立つ。

中盤になると、次第にスパイシーさが強くなる と同時に、コク深さや甘味の目立つ旨みも強く なってくる。
後半、キャラクターはやや強程度に強さを増し、スパイシーでアーシーな甘味の目立つ木質系の旨みに、マッタリ感の有るコク深さが心地良い 。このマッタリ感にコクの強いカラメル様の旨みが加わって終盤を迎える。

全体として、様々な味わいを愉しめて、長時間ゆったりと旨みの深さを満喫 できる。ゆとりに乏しい現代人には、様々な意味でゴージャスな葉巻 である。


<H.アップマン モナルカス>

\2,700→?
フリエタ2
(1.87×17.8 cm)

上記サー・ウィンストンの廉価版 で、近年余り見かけないのだがカタログには載っている。
サーウィンストンと比較してどうか が気になる所。今回は8年程の熟成品を試してみた が・・・

HUpmannMonarchsBOX

105-120分。キャラクターは弱〜中強。中間色のラッパーで点火後の芳香は素晴らしく上品。
立上がりは上質な旨塩のニュアンスもある、甘みのハッキリしたナッツ系。

序盤は上品な旨塩や穏やかな木質の味わいで、マイルドだがハッキリとした甘さ有る旨味。
前半は少々スパイシーさが加わり、ハッキリした上質の旨味で次第に味が強くなる。
長い中盤は中弱程度のキャラクター。スパイシーな旨塩系木質のはっきりした旨味が素晴らしい。次第に、深く甘い旨味の木質系へ変化する。
後半は強いスパイシーさで、甘くコク有るややマッタリ感有る鰹節系木質。
終盤は強めのコクが現れ、スパイシーで上質な木質系の旨さが目立つ。

美味しい葉巻ではあるが、従来の吸込み固めのチャーチル の域を脱せず、物足りなさが目立つ
熟成物だけにサー・ウィンストンを上回る様な美点を期待していたのだが、残念な結果 となった。


<H.アップマン マグナム50>

\2,900→\3,000
(マグナム50)
(1.98×16.1 cm)

2008年発売の新製品。50リングゲージの独自サイズ で規格名未発表。通常はキャビネット入。
当初、2005年のEL品として発表されたのだが、好評の為に通常品となった様だ。
やや濃いめの美しいラッパー。この様な堂々たる大きさ が、葉巻界では最近人気である。

HUpmannMag50DblRing

90分。キャラクターはやや強前後。点火後芳香は甘い花の香りが強く素晴しい。
立上がりは、クリーミーで甘く滑らかなナッツの旨味が有る。

序盤は、甘み強い木質ながら塩味も目立ち、次第にスパイシーさが強まる。
前半は次第にコクが深まり、時折ナッツのニュアンスが現れる木質系。
中盤はキャラクターやや強程度にコクが強く深まり、甘みを秘めた艶やかな木質系の旨味 で、スパイシーで荒々しいアーシーさも 目立つ。
後半は更に強烈さを増す。甘みの強弱には個体差があるが、強烈でマッタリしたコク深さ が加わる。そこに、モンテクリストを思わせる様な素晴しさが現れたり、スパイシーでアーシーなニュアンスが強まる場合があったり、強く甘い芳香が目立つ場合があったり、様々である。

未だ発売後一年半程ではあるが、大口径らしく力強さに溢れる 分り易いハバノである。


<H.アップマン No.2>

\2,200→\2,300
ピラミデ
(2.06×15.6 cm)

中間色のラッパーを持つ、アップマンのトルペド。
日本ではモンテクリストパルタガスのトルペド に人気が集中しすぎる為か、
アップマンの中でもNo.2は注目度が低く、取り扱っている店も意外と少なめ。

HUpmann#2Ring

80分前後。キャラクターは中弱〜強。吸込み良く、点火後の芳香は甘い花の様である。
立上がりは甘い花のニュアンスの素晴しいナッツ系。

序盤はスパイシーで甘味とアーシーさがある、穏やかなコクのナッツ系 。時折旨塩系が目立つ。
前半はややスパイシーで、ナッツ系から次第に甘いカツオブシ系へ。旨塩や木質のニュアンスも現れる上質な旨味。
中盤以降は急速にコク深く なる。スパイシーで甘いカツオブシから、甘味強く艶やかでコク深い木質系 へ。
後半は強いキャラクター。スパイシーで甘くコク深い艶やかな木質系。旨味も強くて素晴らしいシンフォニー となり、終盤にはカラメル様のマッタリ感も現れる。

全体として甘さが目立つ 。強さの変化も大きく、マイルドな旨さと強烈な旨さの両方 が愉しめる、素晴しいシガーである。


<H.アップマン マグナム48EdicionLimitada2009>

\2,200→?
マグナム48?
(1.83×11.0 cm)

48リングゲージ。110ミリ。
やや太く短い、艶っぽい濃色ラッパーのシガー。

HUpmannEL09Mag48_RING

40-50分。キャラクターは中強〜やや強。
点火後芳香は上品。立上がりは甘く渋み有るナッツで、後味が素晴しい。

序盤はやや甘く強さがあり、味わいは渋い木質〜革のニュアンスの場合が多い。胡椒風味のスパイシーさが強まったり、カツブシ系の旨味が強まる場合もある。
前半はキャラクター中強〜やや強。艶っぽくスパイシーでアーシーな渋い木質〜革のニュアンスから、次第に上質な芳香と上品な木質様の旨さが目立つ 様になる場合と、アクと喫感が強まって味が薄まり金属感が現れる 場合とがある。
中盤は艶やかなコク深さは共通しているが、アク強く渋い革様で薄い旨味しかない場合と、木質のタップリの旨味が出てくる場合とがある。
後半はキャラクターやや強〜強。中盤が残念な場合にはそれを引きずり、更にアクっぽさが増してくる。逆に中盤が素晴しかった場合 には、木質の強い旨味にマッタリ感ある強いコクと、ハードで渋いアーシーさとスパイシーが加わった素晴しい共演 となる。

4年間熟成された現在でも、当たり外れの差が大きいシガー の様だ。



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